トップ＞ひとりごと＞その26
泣いてまう曲
いやまぁな、私も、もらいもんのipodに曲を入れて、電車の中で聴いてることがあるんやけど、結構、いろんな曲、入ってるんやわ。
槇原さんの歌った「ヨイトマケの唄」とか。
もともとは、あの美輪さんの作った曲やけどな。
原曲を聴くと、今とは違う意味での貧しさがそこかしこにあった時代の重さのようなもんを感じるんやけど、槇原さんのを聴くと、成長して、世の中でしっかり基盤を築いて生活してる息子の、母親への思いが前面に出てきて、こっちはこっちでええなぁ、すごいなぁって思うんやわ。
誰にもわからんだけに、電車の中で目の前にいるおばちゃんがipodで「ヨイトマケの唄」を聴いてるって、ちょいとすごい光景やろ。
そやけど、こっちの曲が、まかりまちがってipodに入ってたら、大災害や。
電車の中で、目の前のおばちゃんが、いきなり大号泣したら、異様としか言われへんで。
みんな、隣の車両へ逃げていってまうかも。
若い頃はそんな涙もろい方やなかったんやけど、年齢を重ねるごとに・・・いかんなぁ。
この頃はちょっとしたことでも、うるっと来てまうわ。
なんで、あの人の前でだけは泣かれへんかったんやろ・・・なんて思い出は遠い昔のことや。
ほんま、この曲はあかんのや。場所柄を問わず、私の意思にもかかわらず、５秒で涙腺崩壊なんや。 超ど級の危険物やで。取り扱い注意や。
この曲を初めて聴いたのは、アルバム「予感」を買ってきて、一人で部屋で聴いてた時やった。
当時のみゆきさんは、深夜放送のラジオでの馬鹿笑いな姿とともに、振られた女性の思いを容赦なく描き出す歌で有名やった。
エンターティンメントの失恋の歌やのうて、生傷をそのまま切り出したような失恋の歌な。
ほんまもんやったからこそ、失恋の傷を、逆に、みゆきさんの曲で癒されてた人も、意外に多かったんかも知れへん。
そやけど、「ファイト！」は、そんなレベルやなかったんや。
恋の切なさなんてぶっとんでしもて・・・、魂のこの部分に触れられると泣くしかないんやって・・・。
そこから、目をそらすことはでけへんで、何度も何度も、この曲をリピートして、ただただ泣いてたかいなぁ。私の魂の急所なんやろな。
それにしても、なんで、泣いてまうんやろなぁ。
私には、周りとのしがらみやらなんやらで、上京を断念したことも、弱いものをいたぶり楽しむ光景を見て、何もできないまま逃げ出してしもたことも、ないんやけどな。
くやしさのあまり握り締めたこぶしの中で、自分の爪の痛さを感じたことはあったかもな。
やっぱり、どこかで、急流を登ろうとする小魚でありたいと願ってるからやろか。
・・・そんなわけで、周りに人がいる時は、この曲を注意深く避けるようにしてたんやけど。
みゆきさんのコンサートに行った時・・・
ちょ、みゆきさん、その前奏は、げっ、やめてぇや、あかんって・・・・
５・４・３・２・１・・・５秒でやっぱり涙腺が崩壊してしもた。
このページの先頭へ｜ひとりごとのトップページへ
黒いカード～剣９
ウィキペディア(英語）の剣９のページ
愛用のRider Waite Tarotの背景色は、それ自体、意味があるって言われてるんや。
背景の色を見たら、そのカードがどんな感じか、なんとなくわかるってことや。
黄色は黄金で、輝かしいもん、吉兆とか、
薄めの青色は高い精神性、俗を超えたとこにあるもんとか・・・。
そうすると、色紙みたいなカードをたくさん作って占いをすることもできそうやなぁ。
色から受けるイメージって、感覚に直接響くから、眼の前に広がる色のトーンからいろんなメッセージを受けとったり、それを共有したり・・・。
青系統のグラデーションで並んだらこんな意味、とか、パステルトーンで並んだらこんな意味とか・・・
真っ白なカードばかり並んだら、未来は真っ白やで、とか（おいおい）。
見た目もきれいで、なかなか素敵な占いになるんとちゃうかな。
日本人は、昔から十二単の色あわせに心を躍らせたりしてきたんやから、色のトーンへの感覚は、抜群やろしな。
そやけど、全ての色を混ぜたら、どないなるんか。
答えは簡単、黒や。
全ての色が終わるところ、全てを塗りつぶしてしまうもん。
タロットカードでの黒のイメージ。
闇、先が見えないこと、抜け出せないもの、抵抗できないほど圧倒的なもん、絶望、悲嘆、苦悩。
Rider Waite Tarotでは、背景色が黒のカードは、たったの４枚。
悪魔、塔、剣９、剣10。そやそや、死神や吊るし人のカードの背景は、黒やないんやで。
でな、剣９のカードが他の黒いカードとちょいと違うとこは、ほとんどの人がこのカードを見た時、「こんな時もあったなぁ」って感じることや。
さすがに、剣10のカードを見て、「私、昔、こんな目にあったことがある」って言う人は、ほとんどおらへんやろ。まぁ、いてはったら、「どんなドラマティックな人生、送ってきたんや！」ってこっちゃ。
剣９のまっくらな部屋の中、ベットで、たった一人、顔を覆っている人。
この人にいったい何が起きたんやろ。
失恋、挫折、経済的な行き詰まり、信じていた人からの裏切り、病気や老いの兆候を感じること、家族など大切な人の病気や死・・・。
今は真夜中やろけど、朝日がさしてきたら、この人はどうするんやろ。
そのままベットで、顔を覆ったままなんやろか。
意外に、きっちりと身支度を整えて、何事もなかったように部屋を出て行くんかもな。
外の世界で、快活に動き回り、誰かと笑いながらおしゃべりをして・・・。
そうして、一日を終えて、この部屋へ帰ってきた時、
この人は、再び、たった一人で顔を覆うんやろか。
剣９の部屋には、窓がなくて、闇に閉ざされてるやろ。
そやから、闇をはらって、自分の不安や悲しみの正体を見極めなさい、そのためには、窓を開けて、情報を集めたり、客観的に物を見るようにしなさいって暗示やって言われたりもするなぁ。
そやけど、必ずしも、そうやないんとちゃうやろか。
この人は、真っ白な服を身にまとってるやろ。まるで、闇の中から浮かび上がるように。
これは、この姿がうそ偽りのない、ほんまの自分の姿やからやないやろか。
そして、この人にとって、今、一番必要なのは、ただただ泣くこと・・・。
流す涙が少しずつ心の傷を癒してくれるかのように。
どんな穏やかな人生を送る人にも、剣９のカードのような時はやってくる。
誰の人生にもある、当たり前のものとして。何か悪いことをした報いとかそんなんやなく。
そやなぁ、占いで、剣９のカードに出会ったら、このカードは、あんたの代わりに泣いてくれてるのかも知れへんで。
普段は前を見ようとがんばってても、心の奥でずっと泣いてるあんたに、そっと寄り添うように。
そして、いつか、心の底から笑える時がやってくるように。
このページの先頭へ｜ひとりごとのトップページへ｜タロットのページへ
女性の力
～おおらかさと
したたかさ～